千葉大学亥鼻空手道部 えいさー
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空手の健康に及ぼす影響について    〜ネズミを用いたアプローチ〜



千喋犬学教授 野回英雄
1)空手着の減量効果
 空手着が健康に良い影響を及ぼすと言うことは古来から多くの伝承が残されている。ヒマラヤの山岳地帯では、空手着を着ていた乞食が何も着ていなかった乞食よりも123日も長生きした、という古文書が残っている。また、エジプトの北部で空手着をまとったミイラが発掘されたという記録もある。しかし、以上の2つは非常に古い記録で信憑性に乏しい。またエジプトのミイラは、発見される数ヶ月前にカイロで行方不明になっていた空手家の遺体が砂漠で干乾びただけではないか、という疑問が未だにぬぐいきれてない。すなわち、本当に空手着に健康的な効果が有るのかどうかに関して、今日に至るまで科学的な調査がなされたことは無かったのである。そこで今回、私達のグループはネズミを使った実験により、世界で始めて空手着にダイエット効果があることを科学的手段によって明らかにしようと思い立ったのだ。  まず我々のグループではネズミを二つのグループにわけた。グループA(13匹)のネズミには空手着を与え自由に空手をさせる。(世界初のネズミ用空手着は、モルモット向け柔道着で有名なメーカーに特注した。)最初のうち、ネズミ達は空手着をカジッて破ろうとしていたが、次第に慣れて空手着を気にしなくなっていくようであった。一方、グループB(12匹)のネズミには退屈しないようにシロップを思う存分舐めさせた。実験を開始してから10日後、ネズミ達をゲージから取り出して体重を量った。その結果は火を見るよりも明らかであった。空手着を着せ、自由に歩かせたネズミは非常に活発で、毛並みも良く、体重は僅かに減少していた。一方空手着を着用しなかったネズミの体重は著しく増加し、動きが鈍い。ランニング、相撲、さらには容姿容貌においても、空手をさせたネズミのほうが明らかに優れていた。これらの結果から、空手着はネズミの健康に非常に良い効果を及ぼしているらしいことが、世界で始めて明らかにされたのである。今後はそのメカニズムの解明の研究につなげたい。


2)空手と知能
 われわれのグループの一人は実験の最中に、空手着を着ているネズミは着ていないネズミに比べてスマートでとても利発そうに見えることに気がついた。そこで私たちは次の実験に取り組んだ。まずネズミ達のために非常に入り組んだ迷路を木枠で作成した。迷路の入り口にはマジックで矢印と「スタート」と書き、実験に参加するネズミたちがどこが入り口かわからずに戸惑うことが無いように配慮した。次に、迷路の一番奥にネズミのとびきり大好きなカマンベールチーズを設置した。もし、空手着を来たネズミが、来ていないネズミよりも早くチーズに到達すれば、空手着を来たネズミのほうが知能が優れていると結論付けることが出来る。(実験に参加するネズミたちはネズミ捕りで新たに捕まえた。) 我々のチームは皆この実験は成功間違いないと期待していたが、結局私達の試みは見事に失敗してしまった。最初に実験に参加した空手着を着たぶくぶくに太ったネズミは、迷路の入り口から一目散に中に入り込んだものの迷路の途中で詰まって、ニッチもサッチも動けなくなってしまったのだ。我々は苦労して作った迷路を泣く泣く鋸で壊して憐れなネズミを救出するしかなかった。


3)空手の減量効果
 われわれは1)の実験で空手の減量効果を完全に証明したと自負していた。しかし、先日ある老婦人から、あくまで空手着の効果を示したに過ぎず、空手自体が健康に良い影響を与えることはまだ明らかになってはいないと指摘を受けた。そこで我々のグループでは新たに実験をした。実験に公正をきたすために新たに参加するネズミをネズミ取りで捕まえ、新たに20匹が参加した。実験ではネズミをA,Bの二つのグループに分け、それぞれのゲージに手のひらほどの液晶テレビを入れた。グループAでは、ネズミたちにリラックスしてもらえるように、我々の研究グループのアイドル兼ペットである「タマ&ミケ」の映像と音声を流した。グループBでは、黙黙と「空手」をする筋骨隆々とした男たちの映像と音声を流した。私は「タマ&ミケ」の映像を流したほうのネズミはリラックスするため体重が増え、「空手」を見たネズミはスポーツ志向が高まり体重が減ると考えたが、実際の結果は予想もつかないものだった。実験開始1日後ネズミたちの様子を見ると、「タマ&ミケ」を放送したグループの様子がおかしい。ネズミは一匹残らず食欲が無くなり、まるで何かに脅えているかのようにキョロキョロしている。一方「空手」を放送したグループでは何事も無かったようにチーズを食べている。実験開始2日後になると、いっそう差が明らかになった。「タマ&ミケ」のグループは殆ど餌に手を出さないばかりか、必死にゲージの金網をかじりだすものもいた。実験開始3日後になると「タマ&ミケ」のグループは目を閉じて殆ど動かなくなってしまった。結局この実験は5日で打ち切らざるをえなかった。ゲージから出された「タマ&ミケ」のグループは体重が激減しひどい精神的なショックを受けているようにすら見えた。「空手」のグループのネズミには特に変化が見られなかったか、少し体重が増加したようであった。この実験により、空手に本当に減量効果があるのかどうかは再び疑問符が付いてしまった。しかし、我々の必死の説得にもかかわらず、予算の関係でこれ以上の研究は打ち切りとなってしまった。我々のグループの一人が「タマ&ミケの映像と音声が悪かったのではないか」とおずおずと言ったが、私はこの愛らしいタマやミケがネズミたちの尋常ならざる食欲不振と関係に何か関係があるというアイディアが、いかにナンセンスかよく教えてやった。


参考文献 『空手とインフレーション』1988 主夫の女友達社
       『ネズミのための空手道入門』1992鼠眼出版
       『楽しい迷路の作り方』1999構談社
       『あなたのチーズはなぜ腐るか』1982岩皮書房


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