千葉大学亥鼻空手道部 えいさー
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Date 医学部前期手続き
各部活が勧誘合戦
2007年3月14,15日 Inohana Station
  • 前期合格発表
  • Category 新勧(新入生歓迎)

    千葉大学医学部の新入生の入学手続きが3月14日に行われた。

    新入生は、入学手続きを終えると、イノハナの学生に付き添われて部活の説明会に連れて行かれる。

     ところがこの「説明会」、実際にはイノハナの部活による新入生の招待合戦と言った方が近い。新入生は黒板の前でかわるがわるの部活の集団攻撃に晒される。そして最後に新入生は一つの部活を指名しなければならない。

     説明会は地階の実習室で行われる。地階と言っても中庭の地面が低いためか、太陽の光がさんさんと入る。実習室は普通のプールくらいの広さで、高校の実験室の様に黒いテーブルと蛇口が並べられている。

     各部活はそれぞれ割り当てられたテーブルを占領して、新入生勧誘の拠点にしている。それぞれの部活は、新勧用のプリントに色鉛筆で彩色したり、、聞きだした名前、電話、メールアドレスを整理できるようにパソコンを取り出して最後の準備をしたりして、最後の準備にはげむ。医学部一学年100人、限定されたメンバーから未来の部員を引き入れようと各部活必死である。

     新入生は黒板左手の受付の背後にある椅子に座って待機する。勧誘は1回に3、4人単位で行われる。新入生は、委員から名刺サイズの紙を渡されて、名前、出身高校、中学の部活、高校の部活を記入する。スーツ姿にネクタイの委員が、受け取った紙の内容を黒板にチョークで書き出す。新入生は黒板に書かれた自分の字の前に座って勧誘を待つ。

     今年新勧に参加したのは勧誘の順番に、ゴルフ部、白鯨社、男子バレー部、陸上部、男子テニス部、空手部、軟式テニス部、卓球部、弓道部、剣道部、女子テニス部、準硬式野球部、硬式野球部、男子バスケ部、ヨット部、音楽部、女子バレー部、手話会、女子バスケ部、サッカー部、自動車部、バドミントン部、ラグビー部、水泳部だった。音楽部と手話会などの若干の例外を除くと、大きな部活はほとんど運動部である。なかでもラグビー部の赤と藍のユニフォーム、水泳部の紫色のジャンパー、男子テニス部の黒地に赤いすじの入ったジャケット、弓道部の空色の胴衣がひときわ目を惹く。

     それぞれの部活は新入生に対して30秒間だけアピールする時間を与えられる。「次は×△部です。」マイクが入ると一斉に部員がビニールひものバリアーをくぐって新入生を取り囲む。30秒が過ぎると、チャイムが鳴って、「×△部さんはげてください」と委員のアナウンスが入る。この「はげてください」、とは離れてください、ということである。

     新入生に対する勧誘の仕方に、それぞれの部活の特徴が良く現れる。中でもラグビー部は部活の勧誘が始まる前から前列に立ちひときわ目立つ。部員達は、手拍子に合わせて「らららラグビー」と大声で歌ったり、「ウィーン少年合唱団やります。せーの、ウィーン(頭をまわす)」「お前い笑っただろう」「ごんごん(全員で机を叩く音)」新入生の肩を叩いたりして大変な盛り上がりようだ。水泳部は亥鼻最大の部活だが、ラグビー部に比べると静かに勧誘をしていた。ヨット部は「○○派」と書かれたダンボール紙を背負ったり、「ヨットはヨット部でなければいけません〜!」と大きな声で連呼してアピールしていた。

     すべての勧誘が終了すると、司会者がマイクを取り新入生に「〜さん、今一番興味のある部活はなんですか」と尋ねる。この時に周囲のイノハナの部員達はみんな喚声をあげて、自分の部活の名前を連呼する。テニス部はボールをかたどった巨大な看板を、バレー部はバレーボールを模った人形を掲げて部活の名前を思い出させている。それぞれの部活の喚声がひときわ大きくなり、やがて何を言っているのか聞き取れないほどになる。ビニールひもの最前列に向かって人の群が押し寄せ、押し合いへし合いしながら、新入生の方へ看板を掲げ、口々に部活名を叫ぶ。司会者が腰をかがめて新入生の声を聞く。「●●部です!」司会者が宣言すると、とたんに片隅の一群が飛び上がり「よっしゃー!、キャー! やったー!」と歓声あがり、新入生は喜び溢れるイノハナの部員によって取り囲まれ、あるいは胴上げされ、あるいは抱きつかれて、ホームベースの机の方へ運ばれていくのである。

     新しくイノハナ民の一員になった新入生は先輩に食事会につれていってもらったり、遊んだりしながら大学生活を始めることになる。新入生の多くは指名した部活に入ることになるが、あくまで最終的な決定権は新入生にある。入学手続きの後には多くの部活がボーリングやお花見会などのイベントを催し、新入生はは半年間は先輩のおごりで生活できるとも言われる。新入生はこれからさまざまな部活の新勧イベントを見て周り、ただで食事をおごられながら、やはりただほど怖いものは無く、次第にのっぴきならない関係になり、結局入部することになったりする。そうかと思うと食事だけちゃっかり食べてそそくさと逃げてしまう者もいる。

     勧誘時間は30秒だけなので、結構その間に時間が余る。小説、漫画、雑誌を読むもの、単にじゃれあっている者、パソコンにデータを入れている者、パンフレットに色鉛筆で色を塗っている者、椅子の上に立ち上がって群集の向こうの黒板を見通そうとしている者、寝そべっている者、英単語を勉強する者、新入生を接待するもの、英気を養うために瞼を閉じて瞑想にふけっているもの、廊下でコンビニの弁当を食べている者など実にさまざまである。

     考えてみると、最初に出身高校や部活を聞き出したり、突然地下につれてきて指名させるなど、なかなかずるいところもある新勧活動である。けれども部活加入率が90パーセントを超える、熱いイノハナ村の生活はここから始まっていくものだと思う。